6月17日、米Googleが2025年にリリース予定であるスマートフォン「Google Pixel 10」シリーズに搭載されるチップセット「Tensor G5」が台湾・TSMCの3nmプロセスノードを採用する可能性が高いことが報じられている。現在の「Tensor G3」は韓国・サムスン電子の4nmプロセスノードで製造されているが、次世代製品ではTSMC製に切り替えることになる。

「Tensor G5」をTSMCが製造する可能性については、2023年7月頃から報じられていた。今年に入り、Googleの台湾法人が「Tensor G5」のサンプルチップを半導体の検証、テストなどを行うインドのTessolve Semiconductor社に輸出した際の申告記録からも同製品がTSMC製であることが明らかになっている。

今回、Business Koreaの報道により、NVIDIA、AMD、Intel、Qualcomm、MediaTek、AppleとGoogleの7社がTSMCの3nmプロセスノードを採用することがわかった。特にQualcommとGoogleはサムスン電子のファウンドリ部門の主要顧客であったが、サムスン電子製品は歩留まり率の低さと電力効率の問題に直面しており、供給の安定性とパフォーマンスの高さから、TSMCに切り替えたものとみられる。また、Qualcommが2022年に発表した「Snapdragon8 Gen1」がサムスン電子の4nmプロセスノードを採用したが、これを搭載したスマートフォンで過熱や効率の問題が発生したことも各社の選択に影響を与えたとみられる。

3nmプロセスノードを一足早く導入したサムスン電子であったが、主要顧客が競合相手を選ぶことは同社にとって大きな打撃となる。また、同社のスマートフォン「Galaxy S25」シリーズでは自社製品の「Exynos」ではなくQualcommの「Snapdragon」のみを搭載するという情報も出ており、サムスン電子は3nmプロセスノードにおいて相当な苦戦が強いられている。