独Siltronic社は2021年3月9日、2020年の売上高が前年比5%減の12億700万ユーロとなったと発表した。EBITDA(営業利益に減価償却費)は同18.7%減の3億3,200万ユーロに低下、EBIT(利息及び税金控除前利益)は同35.6%減の1億9,220万ユーロに低下した利益は同28.4%減の1億8,680万ユーロとなった。
なお、2020年の設備投資額は1億8,760万ユーロとなった。
同社では、2020年は、コロナウィルスに起因する疫病の広がりに対応するため、各分野でデジタル化の拡大が進み、シリコンウエハの需要が予想よりもわずかに高くなったとしている。しかし、ウエハの平均単価の下落、ユーロ高の進行により、売り上げは減少となった。為替レートは特に2020年後半の売上減に影響した。
2021年度に関しては、コロナウィルスによる疫病の影響は不透明、またユーロ高が続くとみられる、Siウエハに対する需要は強いものと予想している。このため、2021年のウエハ売上高は2020年度比で8〜12%の増加を見込んでいる。
設備投資額は2億5,000万ユーロ超を計画、エピタキシャルウエハ製造能力の強化、微細化に対応した高品質ウエハの生産能力拡大を進める。

また、昨年にSiltronicを買収した、台湾のグローバルウエハーズ社は、Siltronicの買収が完了したことを発表した。当初の買付価格が1株あたり125ユーロだったものを145ユーロまで引き上げ、更に65%以上取得すると発表した当初の発表に対し、50%しか確保出来なかった。背景には、20年末〜21年2月にかけての株高と半導体不足による、株主のSiltronicへの評価が上昇したことによるものと見られている。

この買収により、グローバルウエハーズ社は、日本のサムコを抜いて、世界第二位のSiウエハメーカーとなる。