インドの大手財閥であるTATA Electronicsは、同社が台湾の半導体大手 PSMCと共同でグジャラート州に建設を計画していた半導体製造工場について、2024年2月29日、インド政府が承認したことを発表した。投資総額は9,100億ルピー(約11億ドル)にも上り、20,000人以上の直接・間接雇用を創出するとしている。

PSMCと提携して建設されるこの半導体工場は、インド初のAI対応半導体工場となり、業界トップクラスの工場の効率を達成するためにデータ分析と機械学習を導入した次世代の工場自動化システムを配置する。

同工場の生産枚数は月産5万枚で、プロセスノードは28nm、40nm、55nm、90nm、110nmに対応、生産品目はパワーマネジメントIC、ディスプレイドライバ、MCU、高性能ロジックなどを予定し、自動車、コンピューティング、ワイヤレス通信、AIによって高まる市場に対応していく。

同社によると、インドの半導体需要は2030年には世界の10%を超える1,100億ドルを超えると予想しており、高性能半導体を自国で生産する意義は大きい。

TATA ElectronicsのCEOである、Dr. Randhir Thakur氏は、「 PSMCとのパートナーシップにより、28nm、40nm、55nm、90nm、110nmといった最先端ノードから成熟ノードまで、幅広い技術ポートフォリオへのアクセスが可能になり、大量生産に向けた協業も実現する。私たちは、今度のファブが “Make in India, For the World “という私たちの野望をサポートしてくれると確信している。我々は、サプライチェーンの弾力性に対するグローバルな顧客の要求に応えることができ、国内需要の高まりにも応えることができるだろう」と話した。

同社では、アッサム州にもOSAT工場を建設する予定を立てており、こちらには2,700億ルピーを投じて直接・間接雇用で27,000人を雇用する見通し。同工場にはワイヤーボンディング、フリップチップ、統合システムパッケージング(ISP)という3つの主要プラットフォーム技術に特化している。

3月14日には両工場の建設予定地で起工式が開催された。

出典:TATA Electronics Press Release