アオイ電子とシャープは7月9日、シャープの三重事業所の液晶パネル工場に、半導体後工程の生産ラインを構築すると発表した。2024年中に構築を開始し、2026年の本格稼働を目指す。

生産ラインの新設が予定されるのは、三重事業所の第1工場で延床面積は約6万平方メートル。同工場は2015年までスマートフォン向けの中小型パネルを生産していたが、以降10年近く稼働を停止している。シャープの液晶パネル事業は不振が続き、2024年3月期は832億円の営業赤字となっている。業績の回復を目指し、中小型液晶パネル工場の生産能力の最適化と、未利用・低利用となっている工場の活用および、他社協業による事業展開を進めており、今回の発表もその一環となる。

新設されるラインではアオイ電子の先端パッケージニーズに対応した「FOLP(Fan-out Laminate Package)」を生産する予定。今後拡大が見込まれるチップレット集積パッケージ、チップ埋め込み型パワーパッケージ、5G・6G・ADAS(先進運転支援システム)用の高周波パッケージを提供していく計画だ。

両社は「合意書の内容をもとに、生産ラインの早期構築と本格量産に向け、3社間で半導体後工程における連携を検討していく」としている。