中国の半導体受託生産大手、SMICは11月8日、2024年第3四半期(7~9月期)の決算を発表した。売上高は前期比14.2%増、前年同期比34.0%増の21億7,100万ドルとなり、過去最高を記録した。四半期ベースで20億ドルを超えたのは初めて。また、営業利益は前期比67.5%増、前年同期比38.1%増の4億4,400万ドル、純利益は前期比29.6%増、前年同期比42.8%増の2億2,300万ドルで、大幅な増収増益となった。

地域別の売上高比率をみると、中国国内向けが86.4%となり、前期、前年同期よりも割合が増加した。一方で米州向けが10.6%、ユーラシア向けが3.0%とどちらも前期、前年同期より減少した。

用途別割合では消費家電向けが42.6%と最も高く、スマートフォン向けは24.9%、パソコン・タブレット向けが16.4%、IoT向けが8.2%、産機・自動車向けが7.9%であった。また、サイズ別では12インチが78.5%、8インチが21.5%であった。米中対立による半導体の国産化の流れを受け、同社はウエーハ生産能力を拡張。12インチウエーハの月産能力が2万1,000枚に増加し、販売も拡大したことが業績拡大につながった。

一方で、2024年1月~9月の純利益については、前年同期比で26.4%減となった。同社はこれについて、「市場環境の変化と競争激化が影響したため」としている。

同社は第4四半期(10~12月)及び2024年通期の業績予想についても発表。売上高は第3四半期比で同程度~2%増、営業利益は同18~20%増と予想。通期での売上高は前期比約30%増の約80億ドルとの見通しを示した。国内需要の増加が同社にとって追い風となっている。