北海道大学低温科学研究所の木村勇気准教授らの研究Grと、SCREENホールディングスは、半導体洗浄時におけるナノ構造物の倒壊挙動を明らかにしたことを発表した。

これまで、半導体洗浄時のナノ構造物の倒壊は液体の表面張力によって引き起こされることが分かっていたが、液体によるナノ構造物の倒壊挙動を断面方向で観察した事例はなかった。

今回の研究は、集積イオンビーム装置により半導体表面に加工したナノ構造物を切り出し、IPA(イソプロピルアルコール)とともに液体観察用試料ホルダー内に封入する手法を開発し、これによって透過型電子顕微鏡によるナノ構造物の倒壊挙動を観察することに成功したという。

この成果は、半導体のナノ構造物の倒壊挙動を評価する手法を確立するとともに、倒壊を抑制する洗浄方法開発につなげることが期待され、半導体のさらなる微細化に貢献できると見られている。