英国の半導体メーカーのPragmatic Semiconductorは3月27日、同国初の300mmウエハの半導体製造施設「Pragmatic Park」をイングランド北東部のダラムに開設したと発表した。敷地面積は6万平方メートル。

同社は超低コストで迅速かつ容易に、様々なものにインテリジェンスを組み込むことができる「フレキシブル集積回路(FlexIC)」を導入し、IoTの波をさらに加速させるものとして、半導体業界に革命をもたらしている。

「Pragmatic Park」は最大9つの製造ラインを持つことができ、それぞれのラインで年間数十億個ものチップを製造できる。標準的なチップ工場に比べて、少ないプロセスかつ集中的なフットプリントを誇り、非常に低コストで48時間以内の極めて迅速な生産サイクルを可能にする。また、従来の工場に比べ、省エネルギーで水の使用量も少ないことに加え、有害ガスも抑制できる。また、北東イングランド及びケンブリッジ地域に500を超える高度技術を備える雇用を創出することが出来るとしている。

同社CEOのDavid Moore氏は、「本日の公式オープニングは、Pragmaticの成長軌道における重要なマイルストーンであり、世界の半導体ステージにおける英国の重要なマイルストーンでもある」とし、新工場設立の意義を強調した。また、「今後10年間で、1兆個以上の持続可能なスマートアイテムにアイテムレベルのインテリジェンスを実現するという当社の使命と、チームが達成したことを大変誇りに思う」とも述べた。

同日の開所式にはアン王女が出席し、クリーンルームと施設を見学した後、除幕式を行った。王室関係者が出席したことからもわかる通り、国からの期待も非常に大きいものとなっている。

出典:Pragmatic Semiconductor News