ルネサスエレクトロニクスは、2022年6月29日、インドのエレクトロニクス進化を加速するために、ルネサスの半導体ソリューションの設計・開発・製造において、インド最大の財閥 TataグループのTata Motors Ltd.(以下TML)および同じくTataグループであるTejas Networks Ltd.(以下Tejus)と戦略的な提携関係を結んだことを発表した。

これまでもルネサスとTataグループ内の企業であるTata Elxsiが次世代EVイノベーションセンタ(NEVIC)の設立を共同発表していたが、今回の提携によって、より強い関係性を構築していくと見られる。

ルネサスとTMLは、次世代の車載エレクトロニクスの開発で協力し、車の電動化やコネクテッド化を発展させることで、TMLのインドや新興市場での卓越したポジションをさらに高めていくことに貢献していく。また、両者はADASなどの新技術開発においても、非独占的な協力関係を結んでいくとしている。

また、ルネサスとTejasは、次世代無線ネットワークソリューションにおいて協業していく。4G、5G,そしてオープン無線ネットワークにおいて通信ネットワークで使用される無線ユニット向けに半導体ソリューションを設計・開発し、相互運用を性を向上させてオープンで柔軟な5G RANの展開を可能にしていくとしている。両者は最初にインド向けに製品やソリューションを展開し、その後は世界市場に展開していくことを目指すとしている。

さらに、ルネサスとTataグループのTata Consultancy Services Limited(以下、TCS)が協業し、インドのベンガルールにシステムソリューション共同開発センターを建設する。同センターでは、ルネサスの半導体ソリューションとTCSの業界経験を活用し、IoT、インフラ、産業、自動車分野向けに包括的なシステムソリューション開発に注力するとしている。

この提携において、ルネサスCEOの柴田 英利氏は、
「今回Tataと提携関係を結ぶことで、業界をリードする両社がより緊密に連携でき、大きなメリットを生み出します。ルネサスとTataは、インドおよび新興市場向けのエレクトロニクスを進化させ、多様なアプリケーションの進歩も加速し、継続的な成長を目指してまいります。」と述べている。