次世代半導体の国産化を目指すRapidusは11月17日、半導体設計を手掛けるカナダのテンストレントと業務提携を行うと発表した。AI向け半導体の設計・開発を行う同社からの製造を受託する。

テンストレントは、テスラの自動運転車用の半導体を設計したことなどで知られるジム・ケラー氏がCEOを務めるスタートアップ企業。AI向けCPUなどの設計・開発を進めている。一方のRapidusは2027年に回路線幅が2ナノメートル相当の最先端半導体を量産することを目指し、米・IBMから技術供与を受けながら技術力を高め、現在北海道千歳市に工場を建設している。今回の両社の提携により、開発への動きをさらに加速させるとともに、顧客網を拡大させる。

Rapidusの小池淳義社長は今回の提携について、「Rapidusにとって大きなマイルストーンだ」とし、「IP分野の連携も今後積極的に推進し、最先端LSIファウンドリの実現を通じて日本の産業力の強化に貢献する」と期待を述べた。

なお、テンストレントは来年にも日本に研究開発拠点を設置し、Rapidusの知見も生かして協業を進めるという計画も示した。さらに今後は、自動運転システムの開発などを手がける日本の自動車メーカーや電機メーカーなどとの連携も目指すとしている。両社の協業により、様々な産業分野でのAI活用の発展が期待される。