iphoneの製造を請け負う、電子機器受託製造最大手の台湾・鴻海精密工業の中国子会社である富士康科技集団(フォックスコン)と、FIATやクライスラーといったブランドを持つ欧米自動車大手であるオランダ・ステランティス社は6月20日、折半出資により半導体合弁会社を設立すると発表した。本社をオランダに置き、両社の役員が経営陣に加わる。この合弁会社では、主にEV向けの最先端の半導体を設計し、2026年からステランティスを含む自動車メーカーに販売開始する予定である。

「シリコンオート」というこの合弁会社はフォックスコン社の開発能力及びICT分野における知識とステランティス社の持つ世界の多様なモビリティ需要の深い理解を組み合わせ、特に電気自動車に必要になるコンピューター制御機能とモジュールを進歩させる半導体を提供するとしている。

具体的には、ステランティス社が開発中の無線アップデート機能を備えた電気/電子アーキテクチャーである「STLA Brain」を含む、将来の半導体ニーズを支える製品を生産する予定である。

ステランティス社の最高技術責任者のネッド・クリックは、「ステランティスは自社製品のソフトウェア定義化の促進に直結する不可欠な部品の安定した供給による利益を得るだろう」と期待を述べた。また、フォックスコンの最高製品責任者のジェリー・シャオ氏は、両社の協力により、顧客の競争がさらに促進されるだろうと期待している。

同合弁会社の設立は、両社による2021年12月の自動車アプリケーション向けの一連の半導体開発の合意の成果の一つである。両社はこの合弁会社の他にも、スマートコックピット、高度な家電製品、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)などを開発するオランダ拠点の合弁企業、Mobile Drive(モバイルドライブ)を2021年に設立している。

また、フォックスコンはパワー半導体世界最大手である独Infineon Technologiesと、SiCパワーデバイスの開発に焦点を当て、インバータ、車載充電器、DC-DCコンバータなどの自動車用高出力アプリケーションにおけるSiC技術の実装で協業することを先月に発表したばかり。2021年12月には、蘭NXP Semiconductorsと自動車のデジタルコックピットソリューション開発に向けて提携を行っており、自動車用半導体、ディスプレイ分野を総合的に網羅し、スマートフォン市場よりも遥かに市場規模が大きい自動車市場の変革に対応し、シェアを拡大していくと見られる。