ルネサス エレクトロニクスは2022年6月9日、組み込みAIソリューションプロバイダの米Reality Analytics社を買収することを発表した。2022年末までに買収を完了する見込みである。今回の買収により、ルネサスのエンドポイントに向けたAIソリューションが大幅に強化され、システム開発者は、自社製品に効率的かつ柔軟にAIを導入してAIoT(Artificial Intelligence of Things)化し、早期に市場投入することができるようになる。また、組み込みAI技術、主要な知的財産、ソフトウェア、ツールの拡充に加え、Reality AIのAI専門人材を獲得し、米国メリーランド州にAIoTの研究開発拠点を有することになる。
Reality Analyticsは、自動車、産業、民生機器に向けた非画像領域の高度なセンシングを実現する、高効率な組み込みAIや機械学習ソリューションを提供している。同社の高度な信号処理数学を駆使した、高速で効率的な推論を可能とする機械学習モデルは、小さなMCUに組み込むのに最適となっている。
主力製品であるReality AI Toolsは、非視覚センサから得られたデータを収集、解析し、軽量な学習モデルを生成するソフトウェア開発環境。Reality AIの推論を行うAIソリューションは、エンドポイントとしての様々なアプリケーションに実装でき、例えば、AI実装のセンサを使用した工場での異常検出や自動車での音声認識にも適用されている。