ルネサス エレクトロニクスは2021年1月12日、米Microsoft(MS)社とコネクテッドカー開発を加速させるために協業したことを発表した。これによりルネサスの車載用SoC R-Carを搭載したR-Carスタータキットが、MSのモビリティ業界向けプラットフォームMicrosoft Connected Vehicle Platform(MCVP)の開発環境として利用できるようになった。
MCVPは、Azureクラウド、AI、エッジサービスのプラットフォームと、パートナエコシステムを組み合わせたもので、モビリティ関連企業はこれを活用して各種ソリューションを構築することができる。例えば、車両のプロビジョニング、双方向のネットワーク接続、機能の継続的なOTA(Over The Air)アップデートなど、モビリティ関連企業がサービスを迅速に提供できるよう支援するプラットフォームとなっている。ユーザは、その開発環境として、R-CarスタータキットおよびBSP(Board Support Package)、R-Car用マルチメディアパッケージ、ならびにMCVPのコンポーネントを利用できる。R-Carスタータキットは、Azure IoT Edgeデバイスとしても認定されており、ルネサスはまた、Azure IoT HubとAzure IoT Edgeのパートナとしても認定されている。
ユーザは、本開発環境を用いることにより、クラウド上やパソコン上で開発したソフトウェアをR-Car SoCに搭載し、自動車や各種モビリティの組み込み環境で事前検証することが可能になる。コネクテッドカー開発における実装上の課題の早期発見ができるようになり、開発を効率化できる。今回のマイクロソフトとの協業により、ルネサスはコネクテッドカーの開発を加速し、MaaS(Mobility as a Service)ビジネス創出の活性化、オンデマンド型ビジネスの早期立ち上げに貢献する。