東京エレクトロン(TEL)は2025年2月6日、宮城県黒川郡に半導体製造装置の生産新棟を建設すると発表した。半導体市場の急速な需要拡大に対応するため。建設費用は約1,040億円で今年6月に着工し、2027年夏の完成を予定している。

生産新棟は同社の製造子会社である東京エレクトロン宮城の本社工場内に新設される。地上5階建てで延床面積は8万8,600平方メートルとなる予定。ウエーハ上に回路を形成するプラズマエッチング装置などを製造する。生産新棟の稼働により、生産能力は2029年3月期に足元の1.8倍、将来的には3倍まで増やす計画だ。また、従業員数も2029年3月期に1,100人、将来的には1,400人まで増やす。

TELの川本弘常務執行役員は新棟について、物流機能の自動化や製造工程の機械化を取り入れることで、労働生産性を現行の4倍にすること、生産リードタイムを現行の3分の1にすることを目指すとした。

エッチング装置については、米Lam Researchが世界シェアの約4割を握っており、TELは追い上げを目指す。東京エレクトロン宮城では今回発表された生産新棟のほか、プラズマエッチング装置の開発を担う第3開発棟も建設しており、2025年春の完成を見込んでいる。開発・生産規模の拡大により、市場シェアトップの座を窺う。