オランダの半導体製造装置メーカー、蘭 ASMLと台 TSMCには、中国が台湾に軍事侵攻した場合、インターネットに接続された半導体製造装置は遠隔操作での停止が可能であることが明らかになった。

米政府関係者が先日、台湾とオランダ政府に対し、「世界の先端半導体の大半を生産している台湾に対する中国の圧力が侵攻にエスカレートした場合にどうなるか」について懸念を伝えたという。オランダ政府がこれについてASMLと協議した際、同社は製造装置を遠隔操作で無力化することができると、当局側に説明したとみられる。また、オランダ政府とASMLは中国による台湾侵攻を想定し、既にシミュレーションを行ったという。

遠隔操作による停止は、ASMLの極端紫外線(EUV)露光装置に適用される。同装置は最先端半導体の製造に欠かせないものでTSMCは同装置の最大の顧客である。米政府による規制により、中国は同装置を輸入することが出来ないため、5nm以下の半導体を製造できない状態となっている。遠隔停止することで、仮に工場を奪われた場合にも、中国が軍事用途の半導体を製造できなくする。

なお、台湾の新政権誕生に伴い、国家科学技術委員会主任委員(科学技術相)に就任した呉誠文氏も「今日のスマート半導体製造技術に従えば、それは可能だ。どのような産業や機械であれ、オンラインでつながっていれば、このスマート製造技術を使って、機械の停止を含め遠隔操作できる」と述べ、有事の際の遠隔操作での停止が可能であることを認めた。

そんな中、中国は23日から2日間にかけて台湾周辺で軍事演習を実施。中国軍機28機が台湾海峡の中間線を越えて接近した。自国の沿岸に近い離島を標的に、本格的な攻撃の演習を行ったものと見られ、有事の懸念が以前より高まっている。