米半導体大手、Micron Technologyは6月26日、2024年第3四半期(3月~5月期)の決算を発表した。売上高は前期比16.9%増、前年同期比81.5%増の68億1,100万ドルとなり、市場予想(66億7,000万ドル)を上回った。HBMやデータセンター向けSSDといった、AI関連製品の需要の急増が好調の要因となった。

一方、第4四半期の予想については、売上高76億ドル±2億ドルの見通しとなり、市場予想並みとなった。AI需要が継続的に増加する中、投資家の期待に反して市場予想を上回ることはなく、株価は引け後の時間外取引で7.2%下落した。

米ランニング・ポイント・キャピタル・アドバイザーズのマイケル・シュルマン最高投資責任者は「2、3カ月前なら予想並みの見通しで十分だったかもしれないが、現在の高い期待に応えるには不十分だ。同社株が年初来67%上昇している状況ではなおさらだ」と指摘。特に同四半期に1億ドル相当販売した新型の「HBM3e」が更なる売上増を後押しすると投資家は期待していたようだ。

確かにメモリチップ事業が売上を牽引するのは間違いないが、PCやスマートフォンなど、従来型の市場では需要が依然低調。同社は2024年暦年におけるPC販売台数が引き続き1桁台前半の伸び率となり、スマートフォンについても販売台数は1桁台前半から半ばの伸び率となる見通しを示した。これらが要因となり、同社は売上高予想を強気に示せなかったものとみられる。

出典:Micron press Release