対米外国投資委員会(CFIUS)は2021年6月15日、中国の投資ファンドであるWise Road Capital(以下Wise)による、韓国Magnachip Semiconductor社(以下、Magnachip)の買収を保留する暫定命令を出した。この措置により、同取引は一時的に保留となっている。米国と韓国の規制当局が国家安全保障上の懸念を理由に、現状での買収を許可する可能性は低いとの見方がある。
6月17日に米国証券取引委員会に提出された書類によると、CFIUSはMagnachipのニューヨーク証券取引所からの上場廃止も禁止している。また翌6月18日には、韓国の規制当局がMagnachipのOLED(有機ELディスプレイ)ドライバICを“国家基幹技術”に指定した。
Magnachipは、自動車、通信、民生機器、IoT(モノのインターネット)、産業用アプリケーションに向けたアナログ/ミックスドシグナルICを設計、製造している。

WiseによるMagnachipの買収は2021年3月に発表され、2021年後半にも完了する予定だと報じられていた。買収額は約14億米ドルに上る。Magnachipは2021年3月に、買収に伴い、ファウンドリ事業と200mmウェーハ工場1つを約4億3500万ドルで、韓国のベンチャー企業2社に売却する計画であった。