米半導体製造装置大手、Applied Materials(AMAT)は2025年11月13日、2025年通期および第4四半期(8~10月期)の決算を発表した。通期の売上高は前年比4%増の283億7000万ドル、営業利益は同8%増の85億6200万ドルとなり、売上・営業利益ともに過去最高を更新する結果となった。

セグメント別では半導体システム部門の売上高が前年比4%増の207億9,800万ドルとなり、グローバルサービス部門の売上高が同2%増の63億8,500万ドルとなった。売上高について、どちらの部門も成長を記録し、特に台湾と韓国では過去最高の売上高となり、2地域だけで全体の売上高の40%前後を記録した。生成AIのブームを背景として先端ロジック、DRAM投資が増加しており、台TSMC、韓SK hynix、韓サムスン電子などからの大型受注が同社業績を後押しした。加えて、先端パッケージング技術への投資の拡大も同社の成長要因として作用した。米国による輸出規制の影響で中国向けの売上が縮小傾向にあるものの、台湾・韓国の売上がこれをカバーした形だ。

一方で、第4四半期売上高は前期比7%減、前年同期比3%減の68億ドル、営業利益は前期比13%減、前年同期比6%減の19億4,700万ドルとなり、減収減益となった。セグメント別では半導体システム部門が前期比12%減、前年同期比8%減の47億6,000万ドル、グローバルシステム部門が前期比1%増、前年同期比1%減の16億2,500万ドルとなった。中国向けの輸出規制の影響でファウンドリ・メモリ分野が減速し、減収減益となっているものの、AI関連投資が下支えし、結果的には予想を上回った。

同社は2026年第1四半期の業績予想についても発表。売上高を68億5,000万ドル±5億ドルとの見通しを示した。これは市場予想を上回った。中国向け需要の更なる減少の影響があるものの、AI関連需要がその影響を最小限に抑えるという見方だ。

同社のCFO兼シニアバイスプレジデントを務めるBrice Hill氏は、「顧客やパートナーとの対話に基づき、当社は2026年度後半から始まる需要増に対応できるよう、事業運営やサービス組織の準備を進めている」とし、短期的な逆風を乗り越えれば再び成長軌道に戻ると見通した。

出典:Applied materials News Release