国内半導体大手のキオクシアホールディングスは、5月14日に2021年3月期の決算を発表した。
売上高は1兆1,785億円で、前年度比19%増と大幅な増加となった。NANDフラッシュメモリの需要増加に加え、在宅勤務の増加やオンライン学習、ビデオストリーミングサービスの普及、5Gの拡大等によるものとしている。
また、営業利益は66億円を確保し、前年度の1,731億円の赤字から転じて黒字を確保した。要因としてはBiCS FLASH第4世代への生産切り替えによる生産効率向上や、販売管理費コントロールなどのコスト改善が功を奏したとしている。

また、今後の動向として、フラッシュメモリ及び、SSDの研究開発強化のため、200億円を投じて、横浜市栄区の横浜テクノロジーキャンパスに技術開発新棟を建設し、2023年に稼働させる。川崎の部門を横浜に集結させ、連携を高める。

また、用地を取得した北上工場の新工場棟については、早ければ2023年の稼働を目指していく事がわかった。現在は15万m2の用地の整備工事を開始しており、2022年春に終了する予定。さらなる需要の増加を見越して積極的に投資を行っている。

また、筆頭株主ベインキャピタルの日本法人代表の杉本氏は、朝日新聞の単独インタビューに応じ、延期している上場を早い時期に目指すと回答した。また、4月に報じられた、他社へ売却する可能性も、上場を待たずに他社に売却する可能性は考えづらいと、当面の売却を否定した。