ダイヤモンドなどの宝石の精密加工を手掛けるOrbrayは10月22日、秋田県湯沢市成沢に新本社および地域貢献施設の建設に着手すると発表した。建設費用は約15億円で2026年中の竣工を予定している。これを踏まえ、同社は2026年末までに本社の所在地を現在の東京都足立区から秋田県湯沢市へ移転登記する予定である。

同社は秋田県と湯沢市から計5万5,000平方メートルの用地を取得。延床面積は2,172平方メートル。新本社には社長・役員室や人事総務、広報、教育研修などの機能や新規株式公開(IPO)準備室を設置する。また、同社の技術・製品のショールームも設ける。技術者や新入社員の教育や各種のセミナー・イベントをはじめ、海外との人材交流、地域企業との合同研修施設としても活用が期待される。

加えて、市民が利用できるカフェやイベントスペースを備える地域貢献施設も併設する予定で、地域住民にスポーツ観戦や配信拠点として利用してもらうほか、子供の送迎待機所として提供することも計画しているとのことである。

同社は中期経営計画の見直しを決定したことも発表。同社の2024年12月期は売上高277億円、営業利益53億円と予想を上回った。特にデータセンター用のファイバーアレイやパワー半導体向け素材などが大きく伸びを見せた。同社は足元の業績の拡大と大型案件の伸長などから、2029年には売上高が466億円、営業利益が69億円にまで伸びるとの見通しを示した。これに向け、再検討中の中期経営計画では、グローバル展開の加速、大会社化に伴う体制整備、次世代技術の開発、従業員の待遇改善などを盛り込む見込みで、新本社の建設もその一環になるとみられる。

同社の並木里也子社長は「ここ湯沢から、秋田県から新しい価値を生み出して、日本のものづくりの未来を切り開いていきたい。」と述べた。

出典:Orbray プレスリリース