積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは7月25日、武蔵工場(埼玉県蓮田市)の高接着易剥離UVテープ「SELFA」の生産能力増強と、同製品を含む半導体材料の評価・分析が可能なR&D拠点を台湾に新設すると発表した。投資総額は約50億円を予定している。

「SELFA」は高い接着性とUV照射による易剥離性を兼ね備えた製品で、薄く研磨されたウエハ等でもダメージなく加工することが可能になる。AI(人工知能)や高速通信向けの最先端半導体や車載向けパワー半導体を手掛けるメーカーから高く評価されており、今後も継続的な需要拡大が見込まれることから、安定した供給体制の確立と品質管理レベルの強化を図るため、武蔵工場への投資を決めた。増強する生産ラインは2027年度上半期に稼働予定。

また、台湾では、半導体受託製造世界最大手のTSMCをはじめ、半導体関連企業が集積する新竹市にR&D拠点を新設する。これにより、重要顧客の近くで、高接着易剥離テープや層間絶縁材などの半導体材料関連製品を評価・分析し、ニーズの先取りを図る。新拠点の面積は約370平方メートルで、2025年4月の稼働開始を予定している。

なお、同社は台湾のR&D拠点を皮切りに、今後は韓国や米国などへの拠点展開も検討するとしている。