三菱ケミカルグループは11月11日、半導体製造装置に使用するパーツ洗浄サービスを強化するため、設備投資を実施すると発表した。同グループ傘下である新菱の福島工場を福島県郡山市に新設するほか、既存の岩手工場(岩手県一関市)を拡張する。

新菱は半導体精密洗浄事業として、半導体製造装置メーカーや半導体デバイスメーカーに対し、パーツ洗浄サービスを提供している。半導体製造工程で用いられるパーツに付着したパーティクルや金属不純物などを取り除くサービスで、状況に応じ、パーツ表面を改質する作業も行う。これにより、半導体製造の歩留まりを向上させるとともに、廃棄パーツの削減や環境負荷低減にも貢献している。また、使用済みパーツだけでなく新品のパーツも使用前に洗浄することで、半導体製造装置における初期の稼働不良も減らすことができるとしている。同グループは近年の半導体市場の拡大に伴い、パーツ洗浄の需要も拡大していることから、設備の増強を決めた。

新設する新菱の福島工場は三菱ケミカルの郡山製造所の遊休地を活用し、建屋の改築や新たな洗浄設備を導入する。岩手工場は建物を一部増築するほか、こちらにも新たな洗浄設備を導入する計画である。投資総額は30億円を見込み、いずれも2026年10月に稼働する予定である。

出典:三菱ケミカル ニュースリリース