7月8日の日本経済新聞によると、2020年後半に登場するとみられるApple製スマートフォンiphone12シリーズの全機種に、有機ELパネルが搭載される見通しだという。

現在発売されているiphoneでは、最も発売日が新しい廉価版のiphoneSEが液晶を採用し、主力のiphone11シリーズでは、iphone11では液晶を、上位Proシリーズでは、有機ELを採用し差別化を図っていた。

今後のiphoneシリーズでは、廉価版のSEのみが液晶を採用する見通しで、iphoneシリーズ向けに液晶パネルを供給しているシャープ、ジャパンディスプレイにとっては大きな痛手となる。

スマートフォン向け液晶パネルは有機ELパネルに対し、価格が1/2で有ることに加え、中国勢が国をバックに付けて投資を加速させ、安価に製造出来る体制を整えて競争が激化し、事業の旨味がない。
更に、昨年はパナソニックが撤退し、今年はサムスンや三菱電機が撤退するなど、有力メーカーの液晶パネル事業の撤退も目立つ。
今後の主力ディスプレイとなる有機ELでは、材料は日本企業が強みを持つが、パネルメーカーとしてはサムスン、LGといった韓国勢と、次期iphoneの有機ELパネルの主要供給先の一つと噂されるBOEを始めとした中国勢が現状では優勢であり、国産有機ELパネルメーカーの今後の戦略が気になる所だ。