米大手半導体メーカーのIntelは、同社が子会社として保有するオーストラリアの電子ビームマスク描画装置メーカー IMS Nano Fabricaation社(以下IMS社)の株式10%をファウンドリ世界最大手である台TSMCに売却することを発表した。IMS社の評価額は約43億ドルに上る。Intelは2023年6月には、米投資ファンドであるベインキャピタル社に20%ものIMS社の株式売却を発表したばかりである。Intelでは、引き続き過半数の株式を保有し、同社の子会社として事業を継続していくとしている。

Intelによると、IMS社は、EUVマスク開発に必要なマルチビームマスク描画ツールで最大手、AIやモバイルなど、最も要求の厳しいコンピューティングアプリケーションを実現する最先端技術ノードで広く採用されているとしている。また、ベインキャピタルとTSMCの投資により、IMSの独立性が高まり、IMSの成長が加速することで、高NA EUVなどの新しいパターニングシステムへの移行を可能にするリソグラフィ技術革新を期待している。

グローバルネット株式会社が刊行予定の「世界半導体製造装置・試験/検査装置市場年鑑2023」では、2022年のIMS社の売上を914億1,000万円と推定し、その過半数をTSMCが存在する台湾市場への売上としている。