独Infineon Technolgies社は2022年2月17日、SiC、GaNを利用したパワーデバイスの生産能力を増強するため、マレーシアKurim工場に200mmラインを新設する計画を発表した。投資額は20億ユーロを上回る見通しである。新ラインはエピタキシャルプロセスやウエハシンギュレーションなど、重要な付加価値工程で構成される予定となっている。この新ラインの稼働により、年間20億ユーロの売上増が期待できるとしている。
新ラインは2022年6月に建設を開始、2024年夏から装置の導入開始、同年後半には最初のウエハの出荷予定。新施設がフル稼働することで、900人分の雇用が創出される見込みとなっている。
同社では、すでに3,000社以上の顧客にSiCベースの製品を提供している。産業用電源、太陽光発電、輸送、ドライブ、自動車、EV充電などが主なアプリケーションで、SiCベースのパワー半導体の売上を2020年代半ばに10億ドルにすることを目標にしている。2021年が約2億ドルと推定されるため、5倍の売上を見込んでいる。
なお、オーストリアVillach工場でも、今後数年間、既存のシリコン用設備を転用することにより、SiC、GaNなどワイドバンドギャップ技術イノベーションの基盤およびグローバル コンピテンス センターとして機能させる。同工場の6インチおよび8インチのシリコンラインは、汎用のシリコン製造装置を転用し、SiCおよびGaN製造に改造することで、ライン転用を進める。