デンソーは2021年1月19日、自動車向けセンサを開発する米国のスタートアップ企業Aeva Inc.(本社:米国 カリフォルニア州)と次世代LiDARの共同開発を行うことを発表した。両社の技術を融合することで、周波数連続変調(FMCW)方式の次世代LiDARを開発し、実用化を目指す。
LiDARは、高い分解能で周辺にある物体の位置や形状を検知できるため、小さな対象物の検出など複雑な環境下でも利用できる高性能な周辺検知技術として期待されている。現在、一般的に使用されているLiDARはToF方式と呼ばれるもので、パルス状のレーザ光を照射し、光が物体に反射して返ってくるまでの時間を計ることで、物体との距離や方向を正確に検知する。
今回、共同開発を行うFMCW方式では、光の周波数を変えながら連続的にレーザ光を照射し、物体からの反射波と送信波の周波数の変化を読み取ることで、物体との距離や方向の検知だけではなく、物体の移動速度も計測することが可能になる。この技術により、歩行者や自転車など移動しているものを高い精度で検出することができる。今回の共同開発を通じて、これまでデンソーが培ってきたセンシング技術や実用化の知見とAevaの固有技術を掛け合わせることで、高性能な次世代LiDARを開発、提供することを目指す。