国内半導体製造装置最大手の東京エレクトロンは2023年11月10日、2024年3月期第2四半期の決算を発表した。

4〜9月の連結業績は、売上高が前年同期比30.7%減の8,195億円、営業利益は前年同期比49.0%減の1,785億円、純利益は前年同期比48.6%減の1,374億円と落ち込んだ。同期間において、PCやスマートフォン等の最終製品の需要の一巡や半導体メモリの在庫調整に伴う、メーカーの生産抑制及び設備投資の調整が行われたことが影響したとみられる。

一方で、2024年3月期全体の連結業績予想については売上高が前期比22%減の1兆7,300億円、営業利益は前期比35%減の4,010億円、純利益が前期比35%減の3,070億円と、従来予想からそれぞれ300億円、80億円、70億円上方修正した。

これらの上方修正の要因は中国での製造装置販売が想定より増えたことが挙げられる。中国では米国などによる輸出規制により、先端半導体の生産は困難になったものの、規制対象外分野での投資は活発で、パワー半導体やロジック半導体、メモリ半導体など幅広い品目向けに、同社の成膜装置、エッチング装置を始めとするすべての装置群で発注が盛んであるという。同社売上高に占める中国比率は2023年7~9月に43%となり、2割強だった同年3月期から急拡大している。

また、同社はこうした動向を踏まえ、市場見通しも上方修正した。前工程向け製造装置の世界市場は2023年に前年比10~15%減の850億~900億ドル(12兆8,000億~13兆6,000億円)と従来から約150億ドル引き上げた。中国での需要が世界市場の回復の牽引役になるだろうと見込んでいる。