ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は8月23日、オランダのNXPセミコンダクターズやドイツのインフィニオン、日本のルネサスエレクトロニクスなど半導体メーカー大手10社から、世界的に供給が不足するとみなす戦略的に重要な半導体を直接購入する態勢を始動したと発表した。

以前までは、電子部品についてサプライヤーからの調達を受けており、サプライヤーはどの部品を用いるかをほぼ自由に決定できた。ところが、近年の電気自動車の需要増加に伴い半導体需要も増加しているため、より安定した供給のため、昨年の10月から半導体メーカーとの直接契約に乗り出していた。

同社関係者は、「半導体バリューチェーンの高い透明性、即ち、部品に対する正確な知識を通して、私たちはこうした部品のグローバルな需要とアベイラビリティをより正確に決定できる」とし、メーカーからの直接購入に切り替えることにより、ボトルネックが起きた場合に技術的な代替案を即座に特定し実行できるとしている。また、ハードウェアの種類を減らすことにより、ソフトウェアの複雑さも軽減できるという利点もあるという。同社発表では、「半導体は自動車産業に不可欠なものであり、大量生産のための基本要素なだけでなく、イノベーションを促進し、新製品を市場に送り出すための鍵となるものである」とし、半導体の安定供給の重要性を強調している。