ニコンは2021年10月18日、新しいArF液浸スキャナ「NSR-S636E」の開発を進めていることを発表した。「NSR-S636E」は、改良した高機能アライメントステーション「inline Alignment Station (iAS)」を搭載し、多点アライメントによる計測と高次補正によって、半導体デバイス構造の三次元化に必要な高い重ね合わせ精度と高生産性の両立を実現する。同装置の発売は、2023年を予定している。
また、10月21日には、300mmウエハ対応の欠陥検査装置「AMIシリーズ」の新製品として「AMI-5700」を発売した。2021年11月上旬の受注開始を計画している。


「AMIシリーズ」は300mmウエハ全面の画像を一括取得することで、高速な検査と高い検出感度を実現しており、国内外の300 mmウエハ量産工場で多数採用されている。「AMI-5700」は、「AMIシリーズ」の高速で優れた検査機能に加え、新たに開発した高速計測機能をオプションで追加することで、検査と計測の両方を1台で実現している。これにより、より効率的な半導体生産プロセス管理を可能とし、半導体工場の生産性向上に寄与することができる。
新たに搭載した計測機能は、パターンの線幅、膜厚、フォーカスなどをそれぞれ、約1分で10万点以上計測することができるようになっている。また、新開発の光学系搭載と、集光ミラーの改良により、色収差を低減して高画質な画像取得を実現している。回折検査の際、300mmウエハのライン&スぺース(L&S)で22nmおよびホールパターンで50nm(スペース80nm)のパターンについて誤差±10%以上のパターン欠陥の検出を可能にしている。
また、散乱検査のユニットを新たに開発し、高感度化を実現。従来機種の15μmに対して、「AMI-5700」は5μmの検査に対応し、微小なゴミや傷を検出することができるようになっている。