堀場製作所は2025年4月23日、同社の現地法人がマレーシア・ケダ州に半導体製造装置用の部品を生産する新工場を建設すると発表した。投資額は非公開だが10億円規模とみられる。2025年の8月に竣工し2026年1月の稼働を目指す。

現在、マレーシアは政府主導で半導体産業を成長分野として位置付けており、税制優遇措置やインフラ整備、研究開発、人材育成などの取り組みを推進している。こうした施策により、特にケダ州と同州に隣接するペナン州には欧米やアジアの主要半導体関連企業が集積している。政府の思惑と地域環境が新工場建設の背景となった。

新工場は2階建てで延べ床面積は1989.82平方メートル。新工場では半導体装置内でガスの流量を制御するマスフローコントローラを生産する。同社は同製品の世界シェア6割を誇る。これまでマレーシアには数人規模の営業拠点のみがあり、製品自体は日本で生産したものを現地に輸出していたが、新工場稼働により、近隣の半導体関連企業を中心に、より迅速な部品の供給が可能となる。

工場内には最先端ラボ「Analytical Solution Plaza Malaysia」も設置。先端材料の分析や半導体製造プロセスモニタリング、工場における排ガス・廃液の計測などの多様なニーズに対する幅広いソリューションを現地企業に提供する。また、新工場では、最初こそマスフローコントローラーの製造に注力するものの、将来的には半導体関連のほかの生産群の生産も検討するという。