キヤノンは2022年9月5日、半導体露光装置のサポートノウハウと、露光工程を含む半導体製造に関する膨大なデータを統合することで、サポート業務の効率化と、最適なプロセスの提案を実現するソリューションプラットフォーム「Lithography Plus」のサービス提供を同日から開始することを発表した。
「Lithography Plus」は、同社がこれまでに蓄積したノウハウやデータを統合的に活用しソリューションを創出するプラットフォームで、サポート業務を効率化すると同時に、露光装置の稼働率を高め、ユーザーの生産性向上に貢献する。導入効果としては、以下の3点が上げられる。

1. 半導体露光装置のサポート業務を効率化
露光装置の状態を分析する機能や定期メンテナンス結果を分析する機能、装置が停止した要因を分析する機能を搭載している。装置を操作するオペレータは、これらのデータに基づき、部品交換やメンテナンス等の装置運用計画を容易に作成することができ、露光装置の適切な品質管理が可能となる。また、工場内の複数の露光装置データを俯瞰表示する「Dash Board」機能を搭載し、オペレーターのメンテナンス業務をさらに効率化する。

2. 半導体露光装置の高稼働率を実現する機能を搭載
露光装置の状態を監視し、異常発生や予兆を検知する「異常検知」機能で、装置の停止を防止する。さらに、「自動復帰」機能により、復旧作業を支援する。自動復帰できない場合は、装置状態を分析し、復旧方法をわかりやすく記載した復旧手順書を提示することで、スムーズな復帰を可能にする。また、キヤノンのエキスパートエンジニアがリモートで装置状態を共有・把握し、オペレータからの問い合わせにきめ細かく応えるリモートコンシェルジュサービスも提供する。

3. レシピ最適化機能の搭載による高い歩留りの実現を支援
これまでに同社が培ってきた露光装置の最適化事例を凝縮しレシピを最適化する「プロセスソリューション」機能を搭載している。精緻な位置合わせや線幅制御設定が自動で最適化されたレシピを提供することで、新しい半導体プロセス投入の初期から高い歩留まりの実現を支援する。さらに、APC(Advanced Process Control)などのプロセス機器とのインターフェースも備えており、生産管理システムとの連係動作が可能となっている。