台湾の半導体製造世界最大手のTSMCは4月15日、2021年第1四半期の決算発表を行った。売上高は129.2億USドル(約1兆4,083億円)と前年同期比25.4%と大幅に伸長させ、世界的な半導体需要の高まりを決算でも裏付ける結果となった。純利益は前年同期比19.4%増の139.6億NTドル(約537億円)となった。ウエハの出荷枚数(12インチ換算)は335万9,000枚と前年同期比14.8%増となっている。

売上の内訳としては、プロセスノード別に見ていくと、7nmが、5nmを合わせて49%と、TSMCがサムスンとインテルに対して先を行く先端プロセスノードの売上が約半分を占めている。


これは前年同期の内訳で7nmが35%と変化がないのに対し、5nmの売上分が14%加わった事によるものである。金額で算出するとおよそ18億ドルが5nmプロセスによるものであり、今回の売上増加分の68%を占めている。それに伴って、16nmが19%⇛14%に、28nmが14%⇛11%に、40/45nmが10%⇛7%に低下している。

セグメントの内訳を見ていくと、スマートフォン向けが45%、HPC(High Performance Computer)向けが35%、IoT向けが9%、自動車向けが4%と続いている。

スマートフォンが前年同期比4%減、HPC向けが前年同期比5%増となったのは、華為向け売上の減少や、AppleがインテルからTSMC製造に乗り換えたことも要因だと推測できる。
また、車載向けの半導体が世界的に不足しており、TSMCも増産の意向を示しているものの、車載半導体の製造量は増加していると見られるが、売上の割合では前年比と同等であった。

TSMCでは、第二四半期の売上高も今期と同等からそれ以上となる129〜132億USドルと見込んでおり、引き続き前年から力強い成長を見せると見られているが、半導体不足の解消に関してはTSMCの見方としては、年内から来期まで継続するであろうと推測しているようだ。