GNC letter
GNCレター
Rapidusは11月21日、経済産業省の「情報処理の促進に関する法律に基づく公募」において、事業者として選定されたと発表した。これにより経産省は同社に対し、同省所管の独立行政法人である情報処理推進機構(IPA)を通し、今年度中に1,000億円を出資する計画である。
同公募は経済産業大臣の指定を受けた高速情報処理用半導体の生産施設の設置並びに指定高速情報処理用半導体の試作及び需要の開拓その他の指定高速情報処理用半導体の生産を安定的に行うために必要な取組を最も適切に実施することができると認められる者を選定するもので、2025年9月3日~10月2日まで公募が実施されていた。選定にあたり、Rapidusから提出された実施計画について産業構造審議会、次世代半導体等小委員会を開催して審査を行い、その答申を踏まえ、判断したとのこと。
同社が経産省に提出した実施計画も公表された。これによると、中期計画として、2027年度後半に2nm世代の量産を開始し、2029~2030年度を目途に1.4nm世代の量産化を目指すとしている。また、技術開発では、枚葉方式や新たな方式の搬送システム等により、試作・改善に要する期間を短期化することで、2027年度後半の2nm世代量産開始までにトランジスタ性能・歩留まりを「顧客獲得が十分可能な水準にまで向上させる」としている。また1.4nm世代の研究開発も本格化するとともに、後工程についても国際機関等と連携しつつ2025年度中にパイロットラインを稼働させ、生産技術を確立するとしている。
Rapidusの代表取締役兼CEOを務める小池淳義氏は、「Rapidusが『情報処理の促進に関する法律に基づく公募』において事業者として選定されたことを大変嬉しく思う」とし、今回の事業者選定が、「現在取り組んでいる民間からの資金調達と共に、2027年に計画している2nm世代ロジック半導体の量産開始に必要な資金調達プロセスの第一歩となる」と、その重要性を強調した。
同社はこれまでにも、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発 事業/先端半導体製造技術の開発(委託)」における「日米連携に基づく2nm世代半導体の集積化技術と短TAT製造技術の研究開発」、および「2nm世代半導体のチップレットパッケージ設計・製造技術開発」の枠組みで、2022年度より合計で約1.7兆円の支援を受けている。今後、経産省から同社への研究開発委託費として、2026年度に約6,300億円、2027年度には約3,000億円が支援される予定。また、IPAからは今年度の約1,000億円に加え、2026年度に約1,500億円以上が出資される見込みとなっており、累計の支援額は約2.9兆円に及ぶ見通しである。
出典:Rapidus プレスリリース
半導体/MEMS/ディスプレイのWEBEXHIBITION(WEB展示会)による製品・サービスのマッチングサービス SEMI-NET(セミネット)