TOPPANは6月11日、半導体の異種チップ集積で課題となる、次世代半導体向けコアレス有機インターポーザを開発したと発表した。

インターポーザとは貫通電極によって表裏の回路を電気的に接続するために用いられる基板を指す。現在はシリコンインターポーザが主流であるが、コストの観点から将来的には有機インターポーザーを採用した半導体パッケージの普及が見込まれる。しかし、一般的な有機インターポーザーは構造的に剛直性に乏しく、単体でのハンドリングが困難なため、電気検査時には支持体等に固定する必要があり、その状態では、表裏の導通の確認ができないことが課題となっていた。

同社が開発した次世代半導体向けコアレス有機インターポーザは、再配線層(RDL)の両面を低CTEの材料で補強したもの。シンプルなコアレス構造で、微細配線接続と低CTEの両立を図りつつ、剛直性の付与を実現し、有機インターポーザ自体を支持体(キャリア)から自立させることができるため、有機インターポーザ単体での電気検査保証ができるようになったという。信頼性が向上したことにより、チップの廃棄ロスを大幅に削減できるという利点もある。

同製品の特徴としては、①製造工程の途中で支持体から自立することで、単体での電気検査保証が可能で信頼性を高められ、Known-good substrate(あらかじめ信頼性が確かめられている基板)として供給できる。②従来パッケージ基板よりも約45%の低熱膨張を実現。FC-BGA基板とRDLの熱膨張係数の差に起因するクラック(割れ)を抑止できる。③狭ピッチモールド樹脂貫通電極(TMV)構造により、最小接続端子ピッチはチップ側で40µm(従来130µm)、基板側で130µm(従来300µm)のファインルーティング/ファインインターコネクトを実現する。④パネルレベル製造のスケーラビリティにより、100mm超の大型インターポーザサイズにも対応できる、という点が挙げられる。

同社は同製品について、データセンター向けサーバーCPU、AIアクセラレーター向けなどの半導体パッケージ基板および有機インターポーザへの採用を目指していく。また、同製品の構造を含む次世代半導体パッケージ関連製品を2027年度からサンプル提供し、2028年度から量産開始する予定である。

出典:凸版印刷 プレスリリース