Qualcommは、12月1日に開催された「Snapdragon tech sumitt」において、新世代のチップセットとなる、「Sanapdragon 8 Gen 1」を発表した。同チップセットは、これまでのフラッグシップモデルであった「Snapdragon 888」が5nmプロセスルールを採用しているのに対して、4nmプロセスルールを適用しているという。それに伴い、「Snapdragon888」比でCPU性能が20%向上、GPU性能も30%向上している。更に、イメージセンサーからの画像データを処理するISP(Image Signal Processor)を18bitに対応させ、大幅に処理速度が向上したという。

また、同社はこのイベントにおいて、イメージセンサーの世界シェアトップであるソニーグループと技術提携を行うことを発表した。両社は、米国サンティアゴにジョイントラボを設立し、ソニーの持つイメージセンサー技術と、QualcommのISPをより綿密に連携していくことが狙いになると見られる。
Qualcommのモバイルハンドセットビジネス担当シニアバイスプレジデントのクリストファー・パトリック氏は、「最新のスマートフォンでは、イメージセンサーができることと、ISPやその周辺のアルゴリズムに、非常に強い関係性がある」と語り、両者が緊密に連携していくことで、今後のスマートフォンのカメラ技術に大きな革新を行っていく事が狙いと見られる。

近年、米Appleと米Googleは、自社開発のチップセットを発表し、両社が自前で持つOSとチップ、カメラの連携を大きく強化している。qualcommは、android向けハイエンドスマートフォンを供給するメーカーにチップセットを供給しているが、googleやAppleのように、自社でスマートフォンを販売しているわけでは無いため、AppleとGoogleのシェアが伸びてしまえば、スマートフォン向けの売上が減ってしまうことから、危機感を持ったと見られる。

提携先のソニーは、近年イメージセンサー2位の韓Samsungに追い上げを許しているものの、豊富なイメージセンサーの知見を活かしたスマートフォン「xperia pro-i」を開発するなど、高い技術力を有する。ソニーのスマートフォン用チップセットはQualcomm製を使用しており、カメラ機能の強化でスマートフォンシェアの巻き返し、イメージセンサーシェアの増加を図るソニーにとっても、この提携は有意義なものになると考えられる。