米Micron Technlogy社は2021年1月26日、1αノードのプロセス技術によるDRAM量産出荷を発表した。1αノードの採用によりメモリ密度は、同社の従来の1z DRAMノードと比べて40%向上している。また、LPDDR5における高速動作を実現する。さらに、業界最低消費電力のモバイルDRAMを実現し、省電力性は15%向上し(1z DRAMノード比) 、5Gモバイルユーザーはバッテリー寿命を犠牲にすることなく、スマートフォンでより多くのタスクを実行できるようになる。
同社は2021年、1αノードをDRAM製品ポートフォリオ全体に統合し、現在のDRAMを使用するすべての環境に対応する予定。
同社台湾工場では、コンピューティング顧客向けDDR4メモリおよびCrucialコンシューマPC向けのDRAM製品を皮切りに、1αノードDRAMの量産を開始している。また、同社は、モバイル分野の顧客による認証用にLPDDR4のサンプルも提供開始している。2021年中に、この技術に基づく新製品をさらに投入する予定である。
DRAMの製造技術で20nm未満のいわゆる10nm級DRAMは、5つの世代で微細化が進むというロードマップが一般的だった。具体的には「1Xnm世代」、「1Ynm世代」、「1Znm世代」、「1αnm世代(1Anm世代)」、「1βnm世代(1Bnm世代)」と呼ばれていた。
それぞれ、概ね以下のようなプロセスルールに対応している。1Xnm世代は19nm〜18nm、1Ynm世代は17nm〜16nm、1Znm世代は16nm〜14nm、1αnm世代は14nm以下、1β世代は13nm以下になると推定される。
Micronでは、さらに先のロードマップとして、1βnm世代の次に「1γnm世代」、その次は「1δnm世代」を迎えるとの方針を明らかにしている。微細加工寸法は1γnm世代が12nm、1δnm世代が11nmになると推定される。すなわち、10nm級の世代は7世代を重ねることになる。

また、サムスン、SKハイニクスといった韓国勢はDRAMにもEUVを導入し始めているが、Micronでは、1α〜1γ世代ではEUVを導入せず、ArF液浸露光装置を利用するという。こちらのほうが、価格面ではEUVに対して有利となる見込み。