WSTSは、2023年春季の半導体市場予測を発表した。

2022年の世界半導体市場は前年比+3.3%であった。在宅特需の一巡に加え、世界的なインフレ、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に代表される地政学的リスクの高まりなどが個人消費や企業の設備投資等に影響し、半導体需要も年途中から多くの用途・製品で需要が失速したとしている。

一方、2023年のデバイス別市場予測(上図)では、ディスクリートは前年比+5.6%、市場規模359億ドル、オプトは同+4.6%、市場規模459億ドル、センサ&アクチュエータは同-6.3%、市場規模204億ドル、IC全体は同-13.0%、市場規模4,128億ドルと予測している。

しかし、2024年には大幅に回復すると見ており、ディスクリートは前年比+6.4%、市場規模382億ドル、オプトは同-0.1%、市場規模459億ドル、センサ&アクチュエータは同+5.7%、市場規模216億ドル、IC全体では同+13.9%、市場規模4,703億ドルと予測している。

ICの製品別では、2023年は、メモリは前年比-35.2%、ロジックは同-1.8%、マイクロは同-9.6%、アナログは同-5.7%と予測している。一方、2024年は、メモリは前年比+43.2%、ロジックは同+6.8%、マイクロは同+6.1%、アナログは同+6.0%と予測している。

地域別では、2022年の日本の半導体市場は、前年比+31.7%、金額では約6兆3,264億円であったが、 2023年は同+1.9%とプラス成長を継続し、市場規模は約6兆4,494億円になるものと予測した。世界的にマイナス成長となる中、マイコンやパワーデバイス企業など、自動車用途などが下支えするものと予測している。 更に2024年は同+7.8%と成長が再加速し、市場規模は約6兆9,537億円になるものと予測した。

米国市場は、2022年は前年比16.1%増の1,411億3,600万ドルだったが、2023年は前年比9.1%減の1282億3,600万ドルとマイナス成長と予測した。しかし、2024年は前年比17.7%増の1,509億8,900万ドルと過去最高を更新すると予測している。

欧州、中東アフリカ市場は、2022年は前年比17.8%増の538億5,300万ドルとなったが、2023年は6.3%増で過去最高となる572億5,300万ドルと予測している。これは日本市場同様に、自動車向け半導体が牽引するからと見られる。2024年も、7.7%増の616億3,700万ドルと引き続き成長を続けると予測されている。

アジア太平洋地域では、2022年は3.5%減の3,309億3700万ドルと、韓国のメモリ企業を中心に下落に転じたが、2023年は、前年比15.1%減の2,808億8,100万ドルとロジックの減少も相まって更に大きく下落すると予測されている。一方で、2024年は10.6%増の3,108億3,800万ドルと、再び成長に転じるが、過去最高は更新出来ないと予測している。