GNC letter
GNCレター
半導体製造装置を手掛ける東京精密は2025年8月27日、同社の子会社である東精エンジニアリングにて建設を進めていた名古屋新工場(愛知県愛知郡東郷町)が完成し、同日に竣工式を実施したと発表した。
近年、AIやIoT、クラウドコンピューティングなどの普及に伴い、先端半導体の需要が高まっており、同時に、高性能デバイスの生産に向け、半導体製造装置への要求も高まりを見せている。
こうした中、半導体デバイスの高性能化に向けて注目される先端パッケージングや化合物半導体の加工工程では、それぞれに適した研削加工(グラインディング)技術が必要不可欠となっている。加えて近年では、複数の半導体チップやウエーハを高精度に積層・接合することで高密度実装を可能にする「ハイブリッドボンディング」が重要なプロセスとして期待されている。このプロセスではウエーハの厚みを薄く均一にする必要があるため、高精度なグラインディング技術が不可欠となっている。こうした背景から同社はハイブリッドボンディング向けのグラインダの生産キャパシティの確保が急務と判断し、新工場の建設を決定した。
今回竣工した名古屋新工場は地上2階建てで延床面積は約1万3,100平方メートル。ハイブリッドボンディング向けのグラインダの生産を主目的としつつ、その他のSi用バックグラインダや剥離洗浄機なども生産する予定である。新工場の稼働により、同社のグラインダ生産能力は約2倍となる見込みである。
加えて、名古屋新工場内には精密測定技術への理解を深める場として、「中部計測センター」も開設される。同センターには、三次元座標測定機、非接触形状測定機、表面粗さ測定機をはじめとする幅広い製品を常設展示し、顧客に対する技術支援やソリューション提供を行う拠点として活用されるほか、地元の教育機関や地域企業と連携し、勉強会・見学会の開催を通じて、精密測定の学びの場としての役割も担っていく予定である。
名古屋新工場は同日以降、順次稼働を開始する見込みである。
出典:東京精密 お知らせ
半導体/MEMS/ディスプレイのWEBEXHIBITION(WEB展示会)による製品・サービスのマッチングサービス SEMI-NET(セミネット)