米ON Semiconductor社(onsemi)は2021年8月25日、SiCウェーハメーカである米GT Advanced Technologies (GTAT)社を買収することを発表した。買収金額は4億1,500万米ドル。買収金額は現金で支払われる。GTATは1994年設立のSiCウエハメーカ。今回の買収により、onsemiのSiCデバイスの生産能力とGTATのSiCに関する専門性を組み合わせて、SiCデバイスおよびその関連製品の安定供給を可能にするためのエコシステムの整備を図る。

オンセミCEO のハッサーン・エルコーリー氏は「今回の買収は、シリコンカーバイドのソリューションに有意義な投資を行い、持続可能な未来を創出するためのイ ンテリジェントなパワーとセンシング技術の開発を支援するという、当社の揺るぎない自信とコミットメントを反映するものです。当社は、自動車および産業分野をサポートする画期的な技術において、リーダーシップを高め、イノベーションを促進することに注力しています。GTAT社には、ウェーハ対応のシリコンカーバイドを開発する優れた技術力と専門知識があり、それらをさらに促進・拡張して、高成長するエンドマーケットのお客様により良いソリューションを提供していきます。GTAT の優秀な社員をオンセミのチームに迎え入れ、共にイノベーションを推進していくことを楽しみにしています」と述べている。
今回の買収は、先般発表された2025年まで成長分野に積極投資を行っていくというonsemiの戦略にそったものだが、発表時点では2025年の事業目標に含まれていない。同社はこれまでの中期計画のなかで、2022、2023年には売上高の12%を設備投資に振り向けるとしていた。また、onsemiでは買収にGTATの150mm、200mmウェーハの研究開発を強化、生産能力の拡張を図る。