2021年2月、米国を襲った記録的な寒波の影響で、テキサス州でも電力不足となり、計画停電に伴い、同州のSamsung Electronicsの半導体工場(Austin工場)も操業停止となった。台湾の調査会社Trendforce社はこの稼働停止の影響から、4〜6月期の世界のスマートフォン生産は前年比で5%減るとの分析を発表した。
Austin工場は半導体受託生産の拠点で、米Qualcommの通信用半導体のほか、自社の有機EL(OLED)パネルやイメージセンサドライバなどの製造を行っている。
同工場の稼働停止期間は3月16日で1カ月におよんでおり、米Qualcommが同社に生産委託しているスマートフォン用半導体供給が滞っている。Trendforcceが別途まとめた予測値と組み合わせると、単純計算で1700万台の生産に影響が及ぶことになる。また、OLEDパネルをサムスンから調達する米Appleのスマートフォン生産にも支障が出る可能性がある。
Trendforceは「オースティン工場の3月中の正常化は難しい」と分析。高速通信規格「5G」対応スマホに限れば、4〜6月の世界のスマホ生産落ち込みは30%に達すると予測している。