1月1日に発生した能登半島地震の影響により、北陸地方の半導体工場の一部が稼働を停止し、各社が被害状況の確認を急いでいる。

東芝は1月2日、能登半島地震を受けて子会社の加賀東芝エレクトロニクスの工場(石川県能美市)の操業を停止したと発表した。同工場では自動車やスマートフォン、家電などに使われるパワー半導体を生産しており、1日も操業していたが、安全確認のため、地震発生直後に操業を停止した。同日に出社していた従業員については、全員の無事が確認できている一方、2日現在連絡の取れていない従業員もおり、安否確認を急いでいる。インフラ、生産工程・装置の状況については現在確認中で、生産再開の時期については決定次第発表するとしている。

また、KOKUSAI ELECTRICは1月4日、半導体製造装置を手掛ける富山事業所について、甚大な被害は生じていないものの、施設の天井パネル、壁材、空調配管などに部分的な被害が生じているため、安全確認、清掃、補修などが必要であるとし、通常業務については1月9日より順次再開する予定であると発表している。

その他、自動車や白物家電向けパワー半導体を手掛けるサンケン電気は、震源に近く、甚大な被害のあった石川県志賀町、能登町に工場を有しており、各拠点の被害状況については4日現在確認中であるとしているが、余震が継続する状況と道路網寸断や通信インフラ障害が存在するため、確認には時間がかかるとしている。なお、従業員全員の安否確認ができていないため、これを最優先事項として対応するとしている。

年明け直後ということもあり、各社の詳細な被害状況は明らかになっておらず、生産停止が長引けば経済全体への打撃も懸念される。