台ファウンドリ大手のTSMCは、工業向けに解析ソフトを提供する米Ansys社と協力し、「3DFabric」によって構築されたマルチチップ設計を使用した包括的な熱分析ソリューションを提供すると発表した。

TSMCはAnsysのソフトである「Icepak」を使用し、同社の3D ICプラットフォーム「3DFabric」への熱分析に応用される。Ansysは、解析ソフト「RedHawk-SCElectrothermal」を使用し、大容量の層状熱ソリューションを開発し、トータルチップパッケージングシステムを高精度に分析する。

TSMCとAnsysの協力により、TSMCは10月26日に、2021年のオープンイノベーションプラットフォーム(OIP)エコシステムフォーラムで、「ハイエンド3DICシステム向けの総合熱ソリューション」(A Comprehensive Hierarchical Thermal Solution for Advanced 3DIC Systems)論文を発表した。TSMCは、Ansys RedHawkシリーズとの協力範囲を拡大し、TSMCのSoCテクノロジーのエレクトロマイグレーションおよび圧力損失(EM / IR)検証用のRedHawk-SCを採用したことを発表した。

AnsysIcepakは、計算流体力学(CFD)を介し、電子部品の気流、熱流、温度、および冷却をシミュレートするシミュレーションソフトウェア製品である。
AnsysRedHawk-SCElectrothermalは、2.5D / 3DマルチチップICシステムの多物理量パワーインテグリティ、シグナルインテグリティおよび熱方程式を解くシミュレーションソフトウェア製品である。AnsysRedHawk-SCは、半導体パワーインテグリティと信頼性の分析ツールとしてTSMCに認定されており、最新の4nmおよび3nmにおける全てのFinFETプロセスで検証できるとしている。

TSMC社長のコメント

「当社は、OIPエコシステムパートナーと緊密に連携して、TSMCの高度な製造プロセスと「3DFabric」テクノロジーを使用して、電力効率領域に大きな利益をもたらし、次世代設計を実現する。 Ansysとの協力により、チップおよびパッケージ分析の熱ソリューションを提供できるようになる。これは、TSMCのお客様にとって大きな価値があると考えている。」と述べている。