世界最大手のリソグラフィ装置製造メーカーである蘭ASMLは、中SMICとDUV露光装置を納入する契約を延長することを発表した。SMICは米国政府からエンティティリストに入れられた事によって、米国製の技術を使うことを制限されているが、10nm以下のプロセスルールに利用する装置に限定されているという。今回のDUV露光装置はこの制限に該当しないため、問題ないとしている。尚、ASMLでは2020年のアニュアルレポートで米中対立に触れており、「輸出規制により、世界の貿易はグローバル化から地域化にシフトしている。すでに我々の輸出や特定の顧客向けシステムに影響している」としている。同社の2020年の売上高約140億ユーロのうち、中国は約17%を占めている。

一方、10nm以下の製造に該当しない装置であれば、スムーズに取引されるかと言われれば、そうでは無いようだ。
現在、米国からSMIC向けに輸出する装置は許可制となっている。米国政府は10nm以下に使用されない装置かを見極めた上で許可するとされているが、50億ドル相当の装置と材料の輸出がまだ米国政府の承認を得られずに滞っていると言われている。

SMICのエンティティリスト入りは、トランプ政権時代に行われたものであるが、現在もクアルコムなどの米国企業もSMICに半導体製造を委託している。

SMICに装置の輸出を実施しようとしている、ラム・リサーチの担当者は「今なお申請中で許可はまだ得られていない」と述べたという。

SMICへ装置を納入している米国企業は、ラムリサーチの他にはアプライド・マテリアルズ、KLA、アクセリス、エンテグリスと見られる。