11月14日、政府が月内にまとめる総合経済対策に盛り込む、半導体やAI分野に対する公的支援の全容が明らかになった。2027年に次世代半導体の量産開始を目指すRapidusなどへの支援を念頭に置く。

半導体・AIの分野をめぐっては、石破茂首相が11日、2030年度までに10兆円以上の公的支援を行う方針を表明しており、「赤字国債は発行しない」と述べていた。

具体的には、「AI・半導体産業基盤強化フレーム」として、次世代半導体の研究開発やパワー半導体の量産などへの補助や委託費に6兆円程度、政府機関を通じた債務保証や出資といった金融支援に4兆円以上を投じる。

補助・委託費の6兆円の財源としては、既存の基金からの国庫への返納や、政府が保有する商工中金の株式売却収入などから1.6兆円を充てる。また、脱炭素のためのGX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債などからも2.2兆円を工面する。また、NTT株など政府保有株の配当金などを収入とする財政投融資特別会計からも2.2兆円程度工面する。必要に応じてエネルギー対策特別会計を通じ、「つなぎ国債」も発行する。一方、金融支援の4兆円の財源には産業投資からの出資や、GX債を活用する。

政府はこうした枠組みに基づく支援を実施するため、2025年の通常国会に関連法案を提出する方針である。また、今後10年間に関連産業全体で50兆円超の国内投資を実現させることを目指していく。