東芝傘下の東芝デバイス＆ストレージは2022年2月4日、子会社である加賀東芝エレクトロニクスの構内に300mmウェーハ対応の新工場（製造棟）を建設することを発表した。建設は2期に分けて行う。第1期分については2023年春に着工し、2024年春に建物を完成、2024年度内には稼働を開始する計画である。
新棟は、地震の揺れを吸収する免震構造の採用や電源等の２重化によるBCP(事業継続計画）強化を図るとともに、最新の省エネ製造設備の導入などにより製造における環境負荷低減を行なう。また新製造棟で使用する電力を100％再生可能エネルギー由来でまかなう「RE100」化する計画である。
今後、新製造棟の具体的な設備導入・生産開始の時期、生産能力、生産計画などを、市場の動向を見ながら順次決定・実行していく。
300mmウェーハ処理能力に関しては、すでに既存工場の空きスペースへの生産ラインの設置を進めており、2022年度下期〜2023年度上期での稼働開始を目指している。さらに、今回の第1期分がフル稼働すれば、パワー半導体の生産能力は2021年度比で2.5倍に増強される。
加賀東芝の敷地面積は23万454m²。クリーンルームを備えた4つの製造棟があり、2〜8インチまでの製造ラインがある。現在、量産規模が最も大きいのは8インチだが、8インチラインの空きスぺースには300mm装置の導入を進めている。