キヤノンは2020年10月26日、2020年度第3四半期(2020年7月〜9月)業績を発表した。半導体、FPD用露光装置を含む産業機器事業の業績は、売上高が前年度同期比6.9%減の1,533億円、営業利益が同49.8%増の42億円となった。露光装置と蒸着装置の設置作業は予定通り7月から再開しているが 、いまだ十分とはいえず、減収となった。
露光装置の売上高は同1.6%増の328億円となった。売上台数は半導体用が同9台増の31台、FPD用が同5台減の5台となった。FPD用装置についてはは、新型コロナウイルスの影響で顧客先での設置作業が停滞していたため、5台の販売にとどまった。
産業機器の2020年度通期に関しては、売上高が前年度比2.2%減の6,733億円、営業利益は同66.0%減の66億円と見通している。半導体用露光装置、有機EL蒸着装置は第4四半期での回復が見込まれる。
半導体用露光装置は前年度比約50%増(40台増)の124台を見込む。FPD用装置は同17台減の33台と見込んでいる。しかし、パネルメーカーの投資意欲は引き続き強く、7月から徐々に設置作業を再開、第4四半期では、22台の販売を見込む。
キヤノントッキで行っている有機EL蒸着装置を中心とするその他産業機器の売上高は同0.3%減の5,297億円を見込む。
有機EL蒸着装置については、有機ELパネル搭載の スマートフォンの機種は着実に増えており 、今後も装置需要が高まることが想定される。第3四半期からは、中断していた顧客先での設置作業を再開し、売上は前年並みに回復。設置体制は徐々に整ってきており、第4四半期の売上は前年比2倍近い水準となり、通年でも大幅な増収を見込んでいる。