米Applied Materials(AMAT)社は2022年5月26日、配線抵抗を大幅に低減させる新装置「Endura Ioniq PVD」を発表した。
現在の配線は、絶縁材料のトレンチとビア内に導電材料を埋め込んで形成されている。従来の手法では配線形成にバリア層、ライナー層、シード層と配線材料(配線にCu(銅)、トランジスタとのコンタクトにはW(タングステン)、Co(コバルト)などの導電性金属材料)を積層したメタルスタックが採用されている。バリアとライナーは厚さ方向のスケーリングが難しく、トレンチとビアが縮小するにつれて導電性メタルのスペースが相対的に減ってしまうため、線が細くなるほど電気抵抗は高くなってしまう。
Ioniq PVDはAMATが開発を進めているインテグレーテッド マテリアルズ ソリューション(Integrated Materials Solution:IMS)の1つで、1台の高真空装置内に表面処理(Surface Preparation)、PVD、CVDの各プロセスが組み込んである。Ioniq PVDを採用することで、抵抗値の高いTiN等のライナー層とバリア層の代わりに高純度・低抵抗のPVD-W膜を採用することができ、これをCVD-Wと組み合わせることでWのみのメタルコンタクトの形成が可能となる。新ソリューションにより、3nmノード以降も2Dスケーリングの継続が可能となる。
このEndura Ioniq PVDは、すでに世界各地の主要顧客で採用されている。

ENDURAR IONIQ PVDシステムは、2Dの微細化による配線抵抗上昇という課題を解決するための新しいソリューションの名称。