日本時間2月24日(木)ロシアはウクライナへ「ロシアとロシア国民の安全を守るための選択肢は1つである」という大義の下、軍事侵攻を開始した。その結果、アメリカ、西欧、日本、台湾といった主要経済国がロシアの軍事侵攻を拒否し、国際的な平和と安全の維持を目的とした製品、技術輸出制限を行った。

この中には、半導体も含まれており、日本では経済産業省が工作機械、先端素材、半導体、コンピュータ、通信機器、センサーなどの製品や関連する技術の輸出を制限すると発表。米国では、AMDとインテルがロシアに向けた軍事転用が可能なCPUの販売を停止したことが発表されている。また、ファウンドリ世界最大手である台湾のTSMCも、台湾の蘇貞昌 行政院長が「われわれはこのような侵略行為を非常に厳しく非難し、民主国家と共同で制裁を発動する」と発言し、TSMCは台湾政府が発動する輸出管理規制に従うことを表明し、「TSMCは適用される全ての法律と規制を順守し、発表される新しい輸出管理規則の順守に完全にコミットしている」とコメントした。

一方、韓国では、ハイテク製品の輸出規制の制裁に関しては、サムスン電子やSKハイニックスといった半導体大手企業は業績への影響が大きいため、韓国政府は制裁からの除外を求めていると2月28日にロイター通信は報じている。

ロシアで最も性能が高いスーパーコンピュータである「Yandex」社製のスーパーコンピューター「Chervonenkis(チェルヴォネンキス)」は米NVIDIA製チップを1,500個以上用いて開発されており、スーパーコンピュータの性能を向上させるには、外国製チップの提供が欠かせない状態となっている。

軍事目的に対する半導体は裾野が広く、ドローンや戦車、航空機の性能向上のために兵器に直接搭載されるチップもあれば、スーパーコンピュータは兵器、化学薬品の開発に携わったり、作戦面で気象、地理の把握や、敵国の情報収集、作戦支援といった部分で役に立っている。