台湾のファブレス半導体メーカー、Mediatekは9月16日、連携する台TSMCの次世代プロセスである「N2P」を用いたチップの開発に成功したと発表した。Mediatekの旗艦SoCに採用され、2026年後半の量産を予定している。

両社は長年にわたる協力関係にあり、モバイル向けやコンピューティング向け、自動車向け、データセンター向けなど、幅広い分野の顧客向けに高性能かつ省電力なチップを提供してきた。今回、MediatekはTSMCのパートナーの中で「N2P」を採用したチップを開発した初の企業となった。なお、新たなチップを搭載したSoCの製品名については公表されていないが、スマートフォン向けの「Dimensity 9600」となる可能性が高いとみられる。

「N2P」は現行世代の「N3E」に比べ、同じ電力でパフォーマンスを18%向上させ、同じ速さで約36%の省電力化、及びロジック密度が1.2倍向上することが期待されている。

MediatekのJoe Chen社長は「TSMCの2nm技術によるMediatekの革新は、当社が様々なデバイスやアプリケーション向けに利用可能な最先端の半導体プロセス技術を推進し続ける中で、業界におけるリーダーシップを裏付けるものだ」と自信を示した。

また、TSMCのビジネス開発・グローバルセールス担当上級副社長兼共同最高執行責任者(COO)代理のKevin Zhang氏は「MediaTekとの継続的な協力関係は、幅広いアプリケーションにおいて強化された性能と電力効率を最大化することに焦点を当てている」と述べた。

なお、Mediatekに次いで、米AppleもTSMC製の2nm半導体の優先的な供給を受ける見通しとなっており、TSMCが現行世代に続き、2nm世代の競争においても優位に立つものと予測される。

出典:Media Tek Press Room