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GNCレター
半導体大手、米NVIDIAと半導体設計支援ソフト大手の米Synopsysは2025年12月1日、半導体の設計と技術を強化するため、戦略的パートナーシップを締結すると発表した。これにより、NVIDIAはSynopsysに20億ドル(約3,100億円)を出資する。
Synopsysは先端半導体設計に欠かせない自動設計ツール(EDA)を手掛ける。NVIDIAは長年SynopsysのEDAをAI半導体の設計に採用してきた。今回のパートナーシップにより、NVIDIAのアクセラレーテッド・コンピューティングの強みとSynopsysのエンジニアリングソリューションを組み合わせることで、高精度・高速・低コストかつ知能的な製品を設計・シミュレーション・検証できる能力を高める。
具体的には、NVIDIAのCUDA-XライブラリとAI物理技術を活用し、チップ設計、物理検証、分子シミュレーション、電磁解析、光学シミュレーションなど、計算負荷の高い幅広いアプリケーション群をさらに加速・最適化する。また、SynopsysのAgentEngineer技術をNVIDIAのエージェントAI技術スタックと統合し、EDAやシミュレーション、解析ワークフローにおける自律設計機能を実現する。加えて両社は半導体、ロボティクス、航空宇宙、自動車、エネルギー、産業、ヘルスケアなどの分野において、高精度かつ高度なデジタルツインを活用した次世代の仮想設計・テスト・検証を可能にする。さらに、両社はエンジニアリングチームが開発を加速するため、GPUアクセラレーテッド・エンジニアリングソリューションへのクラウドアクセスを可能にするほか、クラウドソリューションの市場採用を促進するため、共同の市場開拓イニシアチブを展開する。
NVIDIAのCEOを務めるJensen Huang氏は今回のパートナーシップについて、「NVIDIAのアクセラレーテッド・コンピューティングとAIの力を活用してエンジニアリングと設計を再構築し、未来を形作る卓越した製品を発明する力をエンジニアに与えるものだ」と述べた。また、今回のパートナーシップが「排他的ではない」と、お互いが競合企業と協業するのを妨げるものではないとした。
SynopsysのCEOを務めるSassine Ghazi氏は「AIを活用した包括的なシステム設計ソリューションを提供できるのは、SynopsysとNVIDIA以外にない」とし、「両社が協力することで、エンジニアリングを再構築し、世界中のイノベーターがより効率的に革新を実現できるようにする」と強調した。
出典:NVIDIA プレスリリース
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