坂本哲志農水大臣は1月28日、自身の地盤である熊本3区の首長らとの会合で、台湾・TSMCが熊本県に建設を検討中の第2工場の立地が第1工場と同じ菊陽町になると述べた。坂本農水相によれば、2月6日にも同社が正式発表をするという。

同社の劉徳音会長は1月18日の決算説明会で、第2工場の建設について日本政府と協議中であると説明しており、今回、政府による補助額などが固まった可能性がある。経済産業省は2023年度補正予算で、先端性の高い半導体の生産基盤整備を支援するための基金を積み増ししており、補助金は約7500億円規模になるとみられる。

坂本農水相の発言が正しければ、第2工場の建設地は昨年末に建屋が完成した第1工場の隣接地になるとみられる。第1工場では回路線幅12~28nmの演算用ロジック半導体を生産するが、第2工場では第1工場より先端品となる回路線幅7nm相当の製品を生産する見通しである。投資額は第1工場よりも大きく、2兆円規模になるとみられる。第2工場の建設により、関連産業の熊本への集約がさらに進むことが期待されている。

但し、TSMC側は第2工場については「進捗がない」として坂本農水相の発言を否定しているため、真偽のほどは不明であり、公式の発表が待たれる。